2010年5月10日月曜日

おれたちはNo.1じゃない!ランキングの中のアメリカ

We're (not) No.1と言う記事をネットで見つけました。「おれたちは一番じゃない!」といったところでしょうか。世界の中でも先端を行くと思っているアメリカ人を皮肉るような世界の国ランキングを集めたものですね。私にとっては、アメリカだけでなく日本の事も気になるところです。




まず、元々悪評高い医療関係から見ていきましょうか。
平均寿命は30位、ヘルスケアの質37位、乳児死亡率31位。このあたり、日本は上位ですよね。

インターネットのスピード15位(これは日本は1位!でも年ごとにすぐ変わりますね)、一人当たりの携帯の数16位(日本は73位…意外です)、再生可能エネルギーの利用27位。

教育の効果35位、科学的な知識33位。

そしてアメリカの看板である民主的政治は17位、報道の自由41位、囚人の数40位、汚職の少なさ22位となっています。

さすがにランキングで上位にならないような統計ばかりを集めてはいるのでしょうが、アメリカ人はこの結果を見てどう感じるのでしょうか。さすがに昔ほど「俺達が色んな分野で世界のリーダーだ」なんて考える人もいないでしょうが、でも少々へこんだりするのかな。

逆に日本人がこういうランキングを見ると、「あれ?意外といいじゃん」というところを見るよりも「ああやっぱりダメなのね」って、ガッカリするところばかり、目にいってしまうような気がします。

昔、同じESLクラスにいたドイツ人の女の子がものすごくはっきり物言う子でした。
彼女、よくご近所のパーティなんかで「どうだい、アメリカは?」と聞かれて、「すっごく遅れていてビックリしたわ。洗濯機なんかドイツの20年前のやつみたいだし、未だに銀行小切手で光熱費払ったりとか、携帯電話も型古いし受信しても料金取られるなんて最低だし…」と、延々と続けたらアメリカ人は皆むっつり黙り込む、というのをクラスで聞いていて何度も苦笑いを浮かべちゃいました。

まぁ、そう思ってはいても、本人たちにはなかなか言えないのが日本人(笑)そうやって大抵のヨーロッパの人たちと比べると、アメリカ人ってホントはすごく「気ぃ遣いしぃ」で、社交的でフレンドリーな人たちなんですよねぇ。ということで、「相手へ気を遣う」というランキングでは上位に入れてあげてくださいよ!

America: We're (not) No.1

2010年5月8日土曜日

6本指の大作家を探す静かな冒険、パハーレス『螺旋』"El Paso de la Hélice"

twitterというのは不思議な場所で、そこでの出会い(フォロー、フォロられ)は偶然的要素が多いでしょうのに、流れてくる各種情報が自分の守備範囲にぴったりハマる事が往々にしてあります。この600ページを超える分厚い本のことも、流れてきたつぶやきで知った次第。




螺旋螺旋
木村榮一
サンティアーゴ・パハーレス

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【あらすじ】
マドリッドにある出版社の中堅編集者ダビッドは、ある日社長から密命を受ける。社長によれば、その出版社の大ベストセラー『螺旋』の作者トマス・マウドは実は匿名の作家で、一方的に原稿を送ってくるだけで、どこの誰とも分からないのだという。続編を書いてもらう為にどうしてもその作家を探し出さねばならないという社長の命により、ダヴィッドは数少ない手がかりを手に、山中の小さな村へ旅立つ…

【解説・感想】
始まりと中盤と最後、随分と印象が違ってくる本でした。
最初の、じりじりと暑いカリブの島ではそれなりの手腕を見せる優秀な編集者としてのダヴィッド、そして作家を見つけられないばかりか何もかも上手くいかないダメ男になったダヴィッド、そして最後は…もちろん語りませんけど(笑)、これは謎の作家探しの小説であると同時に中年男の成長物語でもあるんですね。

現状としての移民問題、DVD『闇の列車、光の旅』”Sin Nombre"

アリゾナの「嫌・移民法」が大きな話題になっていますね。
アメリカに住む不法移民というとまず真っ先にメキシコ系移民が思い浮かぶ人が多いと思いますが、実際にはメキシコより南、中米から北へ向かって、幾つかの国境を越えアメリカを目指す人々もいます。この映画のヒロインは、ホンジュラスからアメリカを目指します。





【あらすじ(前半ネタバレ注意)】
ホンジュラスに住む女の子サイラのもとに、アメリカに出稼ぎに行った父が帰ってくる。アメリカで出来た二人の娘と一緒に暮らそうという父と一緒に、彼女は米国を目指すことにする。
一方、カスパルはメキシコ、チャパス(南部の州)の、ギャングメンバー。12歳の少年スマイリーを組織に紹介し、自らもギャングの中に居場所を見いだしていた。その二人が、北に向かう列車の屋根で出会う。片方は強盗する側、片方はされる側として。そしてその事件は起こる…


【解説・感想】
とても重くて心が痛い映画です。
これは映画館で座っては見ていられなかっただろうなぁ。しんどかった。
ヒスパニックの人の命の軽さ、これはほとんどのアメリカ人や日本人にとっては想像するのも難しいことで。私たちとは違い、あっという間に命が無くなっていく…

2010年5月4日火曜日

【映画】How to Train Your Dragon「ヒックとドラゴン」

アバターからこっち盛り上がった、3D映画人気。
アリス、タイタンと来て公開になったこの映画「How to Train Your Dragon(ヒックとドラゴン)」は、時期的に不利だったのかもしれません。予想を下回るオープニング興業で、ドリームワークスの株価を8%下げたこの映画。し、しかしなんと、オープニングのあとも口コミでランキングを踏ん張り続け、常に2〜4位をキープしているという粘り強さ。とにかく評判がいいので行きたいなと、小1のお尻をはたいて宿題させてから、行ってきました。





【あらすじ(若干ネタバレ注意)】
生きるために、襲来するドラゴンと闘い続ける宿命にある、バイキングの集落。主人公のヒカップ(シャックリの意味)は、村長のストイックの息子。腕っ節強くドラゴンとの闘いを指揮するお父さんと違って、ヒカップは華奢で力も弱く、鍛冶屋の見習いをしている。
石矢にからまったドラゴンを、池のほとりで見つけたヒカップはそのドラゴンを殺さずに助ける。そしてドラゴンにトゥースレス(歯無しの意味)と名付け、魚をあげたりして次第に仲良くなる。トゥースレスの尾翼が片方欠けているのに気付いた彼は、自分で尾翼や鞍を作り、トゥースレスに乗って、空へと飛び出した。
同じ頃、バイキングの戦士になる訓練を受ける事になったヒカップは、トゥースレスを好きなあまり、訓練用のドラゴン達と闘う事も気が進まなかった。そして彼はそのうち、他の人々には無い特殊な能力を発揮し始める…


【解説・感想】
ああ、面白かった!これ、大人にも子供にも断然お薦めの映画です!

2010年5月1日土曜日

クーリエ・ジャポンの3月号の特集「貧困大国の真実」

日本からだから届くのに時間がかかる上にブログ放置していたのでいつの話やら…
雑誌「クーリエ・ジャポン」の3月号、「貧困大国の真実 ーオバマ大統領就任から1年ー」これ面白かったです!責任編集は岩波新書の「ルポ 貧困大国アメリカ 」の堤未果さんです。
編集方向としては新書の「貧困大国アメリカ」と同じ路線ですが、オバマ大統領就任以降の変化を伝えています。

特に私が気になるのは、医療改革。
法案は一応通ったものの、結局骨無しの民間皆保険になってしまいました。
先進国中最低と言われるこのアメリカ医療の諸悪の根源は、医療保険が民間である事です。ま、他にも私立病院が株主を喜ばせるために儲け主義に走っていたりとか色々ありますが、やはり一番の問題は医療保険会社が民間経営であるために自社の利益を目的にしている事、それゆえ本当に医療を必要としている人が保険に入れない、あるいは保険が支払われないという異常な事態が起こっていることでしょう。

オバマの医療改革法案の推移について、このような記述があります。