2010年8月31日火曜日

八木啓代さんライブ@アントン (Nobuyo)その2

前回の続きとなります。
お腹もいっぱいになったところで、八木さん登場。黒のドレス姿です。ギターは西本諭史さん。

「Para Un Angel 」「 Lo Cierto Somos Nosotros」「Por Ti」「Versos De Guardia」「アルフォンシーナと海」「そら(ソウルフラワーユニオン)」などなど。本当にスミマセンすぐに記事を書かなかったので記憶が曖昧でございます。。。

中でもとてもよかったのが「泣き女 〜La Llorona~」。八木さんの本に登場するメキシコの作曲家マルシアル・アレハンドロの遺作となった曲だそうです。2009年に彼が亡くなったのは知りませんでした。マルシアルへの思いのたけを魂に込めた様な、そのタイトルも”泣き女”という曲を歌う八木さんの姿は忘れられません。

しかし、ここは「伝説のバックパッカー」八木さんですから(関係あるのか?)、歌だけでは終わりません。
曲の合間のトークがおもろい。

県民性の話。関西では夏になったら「グリーンティ」、と聞くとあのお茶屋の店先で冷え冷えのあれ、と思うわけですがあのグリーンティは関東ではないですという話(←海外に住んでるのでよくわかります)。「この曲を歌うと関西では絶対CMの曲だと言われる」という曲の話。ワールドカップで試合が始まると日本人はtwitterでガンガンつぶやくけれどラ米の人は全くつぶやかなくなるという話。日本の人はラテンアメリカは怖いところだと思うけれども、日本の自殺率をみると、殺される率より日本の自殺率の方がよほど高いということ。…と、なるほど〜なお話が色々聴けました。

写真は、どうなんでしょうか。他にも撮られている方がいらしたので撮ってみましたがwebアップはまずいのかな?(もし都合が悪いようならすぐに外します)




歌とトークとそして御馳走と、で、とても満足な夜となりました。


八木啓代さん新刊です。…といっても私も日本で7軒くらい本屋を探したけどどこにもなかったし、アマゾンも品切れ状態が非常に長くてまだ読めていません。もっと増刷してくれ〜





2010年8月27日金曜日

八木啓代さんライブ@アントン (Nobuyo)

ああ、これも1ヶ月半前の事になっております。
7月15日、伝説のバックパッカーにしてラテン歌手、ジャーナリスト(さて、どの肩書きが一番先に来るでしょう?)の八木啓代さんのレストランでのライブに、うまく日程があったので行ってきました。

八木さんの事はパソコン通信時代にNiftyで人気の連載を持っていらした時に知りました。なかなか知られる事の無いラテンの国の事情の中の中まで、おもしろおかしい筆致ながらズバズバ書く文章で大人気!
それから著書を数冊拝読、一度ライブに行ってみたいなぁと思いながら、私も日本での滞在期間が限られておりまたメキシコシティまでコンサートを聴きにいくというのも現実味がないので(笑)今回、日程が合って初めてライブを聴けました。

会場は伊丹のイタリアンレストラン、アントン。そもそも伊丹に行った事が無いので初めてのお店でした。満席で30席くらいでしょうか、手頃なサイズのお店…の中、案内して頂いたのはステージ前のとってもよいお席!でした。

あ、あのぉ、明らかに一見さんで、しかも八木さんライブの常連でもない私達、こんな一等席で申し訳ないのですけど。。。しかも予約を入れた時も「まだいけますか?」と聞くと「かなり一杯ではあるんですけど…」と仰ってたのに。ああほんとスミマセン、とせめても珍しくアルコールを注文。軽食つきということでしたのに、ボリューム満点でサラダ+鹿肉のパスタ+パン+デザート、コーヒーがついていました。サラダはワカモレ風のアボガドディップやトルティーリャチップがついていたのは今日の演奏に合わせているのでしょう。

そしてアントンさん名物の鹿肉のミートボールのパスタ



告白しましょう。実は、軽食だと少しお腹がすく?と予測して、待ち合わせたところでパンを食べてしまっていたので、こんながっつりなフルサイズのパスタを予測していなかった私達の胃袋。美味しかったのですが、最後の方はスピードダウン…けっ、決して、味が気に入らなかったわけではないのです、はい。
ちなみに鹿肉は人生で初かもしれません。感想は、こんな言い方はなんですが、「とても普通」でした。ひき肉になっているというのもあるのでしょうが、牛だといって出されたらそれで納得するお味でした。普通の牛よりあっさりしていて、癖の様なものは全然無いです。鹿のお肉ってとてもヘルシーなんだそうですね!


あれれっ。もう、前書きだけですっかり長くなっちゃったゾ。
記事を分けて、ライブの部分は後半で書きますね。



八木啓代さんの音楽、アメリカからはiTunesやAmazon MP3にて購入できます(最近知ったの)。

暫定今年のNo1映画『瞳の奥の秘密』~El Secreto de Sus Ojos~

ずいぶんと間が空いてしまいました。
書く事は沢山あるのに全然追いついていないです。はい、映画に本に音楽に、ちゃんと向き合って記録を残したいと思います。

2010年のアカデミー賞外国映画賞を受賞したアルゼンチン映画、『瞳の奥の秘密』~El Secreto de Sus Ojos~、都会の方では春には上映があった様なので、もううちの町には来ないものだと思っていました。ところが日本から帰ってきたら丁度やっていて、ラッキーだなぁ、と。





映画が始まって驚きました。
こんなに丁寧な、こんなに端正な映画が見られるとは!
アカデミーで、予想されていなかったこの作品が賞を勝ち取ったのも納得、納得。それだけの説得力のある実力映画でした。



【あらすじ(軽くネタバレ)】
刑事裁判所を定年退職したベンハミンは、25年前に起きたある事件を扱った小説を書くことを決心し、当時の女性上司で今は判事補のイレーネを訪ねる。その事件とは、1974年、銀行員の夫と結婚したばかりの美しい女性が自宅で強姦・殺害された事件であった。捜査開始後すぐに、修理していた二人の職人が逮捕されるが、明らかにえん罪である。被害者の自宅でベンハミンは、夫妻のアルバムに残るある男の瞳の妄執に気づき、その男を捜そうとするが難航する…。一方で当時のベンハミンの心を占めるの別の思いは、美しい上司イレーネに寄せる、いわば身分違いの思慕であった。


【解説・感想】
奇をてらわない、非常にクラシックな作りの映画でした。
謎解きものとして捜査に一本筋を通しながら見せる一方、ベンハミンと上司イレーネの、25年を超えた関係をも巧みに絡ませて、飽きさせません。捜査に緊張感を失わないようにしつつ、かつオールドファッションな笑い(それは今時の映画では滅多にお目にかかれない種類のくすっとしたおかしみ)を所々にのぞかせます。