2010年3月28日日曜日

【映画】The Last Station (ラスト・ステーション)

ロシアの文豪トルストイの最晩年を描いた映画、The Last Station監督はマイケル・ホフマン。

この映画、行こうか行くまいか3週間くらい迷っていたのですよ。結局最終日になりましたが行ってきて本当に良かった~。大好きだったよーー。オスカーにヘレン・ミレンとクリストファー・プラマーがノミネートされていましたが、そうじゃなかったら絶対行かなかったでしょうね。この映画に出会わせてくれて、サンキュー・アカデミー♥








【「The Last Station」あらすじ】(ネタバレ注意!)

トルストイの晩年。偉大な作家の心的平和、物理的禁欲の思想のもと、ヤースナヤ・ポリャーナには沢山の信奉者が集っていた。そこに秘書として、ワレンティン(=ジェームス・マカヴォイ)が送り込まれてきた。初対面の偉大な作家との対面に緊張するワレンティンを暖かく歓迎するトルストイに、彼は大感激する。
当時のトルストイ(=クリストファー・プラマー)周辺にはごたごたがあった。弟子チェルトコフ(=ポール・ジアマッティ)はトルストイの思想とパブリック・イメージのために彼の死後すべての著作をパブリック・ドメインにしようと計画し、そのために遺言の書き換えを急いでいた。一方、トルストイの妻ソフィア(=ヘレン・ミレン)は、財産は自分に残されるべきだと絶対に遺言の書き換えを許さない気構えだった。秘書であるバレンティンはチェルトコフから釘を刺されつつも、ソフィアとトルストイの間の長い間変わる事のなかった愛も尊重し、どちらにも理解を示す、言い換えれば板挟みになる。そんな生活の中でマーシャ(=ケリー・コンドン)というコミュニティの魅力的な女性と愛し合うようになる。そして、トルストイの遺書をめぐる争いは次第に激しくなっていく



【解説・感想】

「あの姿をみてごらん、まるでジーザスのようじゃあないか」そう言われるトルストイは白いあごひげをたくわえ、穏やかな表情をみせ、人々に暖かい言葉をかける。その文豪と対照的に、醜いまでに欲望をあらわにする妻、ソフィア。でもその二人の間に、深くて長い愛情がある事を理解し、それを尊重しようとする秘書。まぁ普通に考えたら、妻=悪者、的な構図になるところを、悪者に感じさせないのはこの映画が根本的にラブストーリーだから(ま、ちょっと呆れる気持ちにはなるけどね)。

ロシア人トルストイの話なのに英語で全部進んでいくって言うのには最初なんとなく違和感がありましたけどすぐに忘れました(←すぐ忘れます)。

とにかくテンポよく、絵は美しく、コミカルにすすんでいくので楽しめます。クスクス笑いながら観られます。後半は動きが止まるので若干だれますが、それでも次がどうなるのか見入ってしまいます。

それから、俳優陣の上手さ!鬼気迫る演技のヘレン・ミレンや、口論しながらもやはり妻の前では無邪気な姿を見せるプラマー。ちょっとミステリアスな女性を演じた、ケリー・コンドン。そして主演(ということになっている)マカヴォイ、どれも上手いなぁ。ジェームス・マカヴォイってやっぱこういう映画に出る人ですよね?アクション映画に出たのは何かの間違いですかねー笑。顔も体つきも向いてると思えないんだよな。特別ハンサムではないと思うのだけれど画面の中でこの人が映っていると視線が引きつけられる、そういう不思議な力がある俳優だと思います。

しかしあれですかねぇ、世の哲学者とか文豪とかに、恐妻や悪妻がカップリングって多いような気がするんですけどね、そういう星の巡り合わせなんでしょうかね(笑)まぁ私生活が余りに幸せすぎるといい作品が書けなかったりして

この The Last Station、今のところ日本公開の話は聞いていないのですが、アカデミーノミネートだし、公開されるといいですねぇ。原作はジェイ パリーニの「終着駅 トルストイの死の謎」、邦題はこれになるのでしょうか。

近年観た文豪モノではジェーン・カンピオン監督の「ブライト・スター」がありますが、どうにも観ていてもどかしい「ブライト・スター」よりこの「The Last Station」の方がずっと面白かったです!チャンスがあれば是非観て下さいね。"


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