【あらすじ】
アルマンド・アルバレス(ウィル・フェレル)は生まれてからずっとお父さんの農場で働いている。のろまで気の利かない彼をお父さんは頼りなく思っているが、そこへアルマンドの弟ラウル(ディエゴ・ルナ)が帰ってくる。国際的なビジネスで成功している弟は、婚約者のソニア(ジェネシス・ロドリゲス)を紹介する。ソニアの輝く美貌にぼうっとなるアルマンドと、純朴なアルマンドにどこか惹かれるソニア。そこへ警官が現れ、ラウルが麻薬の世界に首を突っ込んでいる事を知らされる。アルマンドは弟をバーに呼び出し説得しようとするが、そこに現れたのがメキシコの麻薬王のラ・オンサ(ガエル・ガルシア・ベルナル)。アルバレス家は麻薬の世界のゴタゴタに巻き込まれていく。魅かれ合いながらもケンカばかりのアルマンドとソニアは…。
【解説・感想(ネタバレあり)】
最初からB級を狙っている映画で、舞台装置なんかもわざとチープに作ってあります。はりぼての舞台背景。遊園地の仕掛け程度の動物のぬいぐるみ。「このシーンは予算がなかったので省略させてもらいます」と文字だけが画面に出る。こういう性質の映画なのだからそれ自体は全然ダメではなくて、むしろ上手く転がせばいい方にいくのだけれど、結果としてただ安っぽいだけ、ただ手を抜いただけにしか見えなくなってしまったのが残念。
コメディとしても最初の1/4ほどはすごく面白かったのに、だんだん失速して、テレビのお馬鹿バラエティくらいのクオリティ。どうしてこうなったかというと「つめが甘い」んだろうなぁ。ゆるい面白さを作るためにゆるく働いていたらだめで、きっちり計算して積み上げた上でないと、抜いているところだけが見えちゃうって事なのかも。
とはいえこういうご時世。麻薬を通じて、国境の警備を通じて、国境の北と南で人々がいがみ合う今の時期に、ぽーんとアホ丸出しなコメディを送り込んで、「一発仲を取り持ってやろう」という狙いもあるのかもしれない。わざとウィル・フェレルをキャストしたのもそんな密かな意図があってのことなのかも。全てのメキシコ人が麻薬運び屋(Narcotrafico)ではないし、全てのアメリカ人警察官が悪者ではない。
てなわけで映画としてはイマイチどころかイマフタツくらいだったのだけど、けどけどディエゴ・ルナのファンは必見!だと思いました。いやぁ、今までいくつかディエゴの出演映画を見てきたけど、これが一番カッコいいよ!!ファッションから仕草からぴたっとはまって、特に最後のシーンはファンなら泣くであろうクールな彼が見られました。惜しむらくはこれがコメディじゃなければね。それでも私がディエゴのファンなら絶対にディスクを買うね(断言)。今度はシリアス路線でこういう役をみたいですね。
また、R指定といってもそんなきつくなさそうな雰囲気だからか子供連れも劇場にいたけど、えっチーなシーンもありますのでご注意のほど…。
主題歌はクリスティーナ・アギレラの情熱的な熱唱(でも新曲じゃないのねー)
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