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2012年5月2日水曜日

ブクログ:2012年4月の読書記録

先月に引き続き4月の記録。
今月は漫画が三冊入っているし、2、3時間でさらっと読んだ本も数冊入っている。そしてぼちぼち読んでいるものは読み終わらなかったりするのだが、ブクログには読了したもののみを記録するようにしているので、月によっては自分で読んでいる感覚よりも冊数の方が少なくなったりする。今月は逆に、漫画もあるので多い方かな。


armadilloの本棚 - 2012年04月 (7作品)
李歐 (講談社文庫)
高村薫
読了日:04月02日
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万人にお奨めする一冊といえば『シュナの旅』。ジブリファンなら…という言葉は野暮の極みで、今の日本でジブリが嫌いと断言する人など探してもなかなか見つからないだろう。ジブリエッセンスの詰まった一冊を、動画でなく静止画で楽しみたい。

2012年4月3日火曜日

ブクログ:2012年3月の読書記録


armadilloの本棚 - 2012年03月 (4作品)





ブクログに書き出し機能があることに気付いた。せっかくレビューを書いているのだから、利用してみようと思う。

先月一番面白かったのはカレル・チャペックの『園芸家12ヶ月』。年末にカリフォルニアのブックオフで1ドルで購入。いわば「園芸オタク」の鋭い自嘲・自己批判・こっそり自慢という内容だけれども、園芸に限らずオタク道ってこうだよね、と頷ける。自分とはユーモアのセンスがぴったりと合っているらしくて、内心ドッと受けながらガンガン読み進める事が出来た。どのページをめくっても自分にとっての名言の連続なのでここにブクログに記録した通りの引用も載せておきたい。

それを毎日やっていると、二週間目には芝草のかわりに雑草が生え始める。いちばん高級の芝草の種から、どうしてこんなにふさふさした、トゲだらけの雑草がはえてくるのか。これこそ自然界の神秘というものだ。りっぱな芝生がほしいと思ったら、いっそのこと雑草の種をまくべきかもしれぬ。(11頁)

もちろん、水道の栓と一本のホースがあれば、もっと早く、もっと大規模に灌水ができる。比較的みじかい時間に、花壇はおろか、芝生から、ちょうど三時のお茶を飲んでいる隣の家族から、往来の通行人から、室内から、家族の全員まで、なかんずくいちばんたっぷり灌水が出来るのは自分自身だ。(107頁)


2010年9月12日日曜日

海外文学ファンはたった3000人?

twitterで白水社さんから面白いリンクが回ってきました。
豊崎由美さんのエッセイ「豊﨑由美「全国3000人の海外文学ファンを代表して トヨザキ社長が提案!“ガイブン仲間"を増やすには?」

海外文学への情熱を語り、また海外文学がなぜ敬遠されるかを分析した豊崎さんのこのエッセイの、締めに衝撃的な文があります。

以前、文芸誌の仕事で、各社のガイブン担当編集者に取材をしたことがあります。その時、皆さん口を揃えていたのが「海外文学読者のコア層は三千人」という現状認識


えっ、3000人?

ということは、海外文学ファン全員が手に取るような話題本でも、初版二千部、売れて千部増刷って感じでしょうか(笑)実際にはほぼ全員に売れる話題本なんてまずないでしょうから…

考えてみたら私自身は海外文学を読まないわけではないけれども、でも「コア層」では決してないですね。好きな作家や映画化された作品を中心に年に10冊くらいかも…ってひょっとしてコアどころか普通以下の読者なのでは(汗)

このエッセイで推測されている、海外文学が嫌いな原因のひとつ「圧倒的に多いのが「名前が覚えられない」、これ、私も覚えられない派です。でもこの性格ゆえ、覚えられなくても”なんとなく(フィーリングともいう)”で読み切ってしまえる、これはいい加減さのたまものですねー。直近の記事のあの本も「へルシャーム、みたいな感じ」で全部読みきってしまい申した。映画の予告編のHailshamという字を見てやっとわかりました。やっぱりカタカナじゃダメね(そういう問題なのか!?)

「知らないところが舞台になってるから、雰囲気がよくわからないし共感もできない」という理由の方は確かに、聞くと悲しくなってくるなぁ。文章では細かい部分まではわからなかったりするけど、それ以上に、絶対に一生行かないような場所の景色が繰り広げされるんだもの。安価で旅行しているようなもんだと思うけれど。マルケスなんて読んで御覧なさいよ。

あと個人的に思うのは、やはり外国に関心があり更に外国語に関心がある人々は、海外文学の翻訳を通り越して原文で読んでしまう事。私、某語学サイトに登録しているのでわかります、語学熱心なみなさまの原文熱は素晴らしい!私のように読むスピード効率から、わざわざ日本から翻訳を取り寄せて読んでいるヘタレなんて肩身が狭くてしょうがありません。
そのあたりを考えると、言語学習者が少ない地域の文学または付け焼き刃では歯が立たない大長編小説、みたいなのでなければ翻訳を手に取る機会が減ってしまうのかもしれませんねぇ。

ところでこのエッセイで一番ニヤニヤしたのは

わたしが二十代以降に出合ったたくさんの海外文学の傑作に匹敵する小説を書ける、もしくは書く可能性を持つ現存作家が、日本に一体何人いるんでしょうか(あくまでも当社比ですが、今数えてみたら十八人いました)

数えちゃうんだ!しかも18人もいましたか(爆)
正直でいいなぁ。
個人的には、海外文学が売れなければ翻訳も、それもマイナーな作家であればあるほど、減ってしまいます。また読んだ事のある小説をまた再読したくなったときに絶版、ていうのが一番悲しい。そうならないためにも、若い方に沢山読んでもらえるようになるといいですね。私なぞはミュージシャンの人が薦めたり歌詞に混ぜた(たとえば「ジョニーは戦場へ行った」ですよ)本を読んだりしていましたけど、今の若いミュージシャンたち自身もあまり読んでいないのでしょうか?まず若向きの音楽をしらないのでご存知でしたら情報ください。


そして亀山先生の「悪霊」が出てしまいました。悪霊みんなでゲットだぜ(イミフ)

悪霊〈1〉 (光文社古典新訳文庫)悪霊〈1〉 (光文社古典新訳文庫)
フョードル・ミハイロヴィチ ドストエフスキー 亀山 郁夫

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2010年9月8日水曜日

この残酷な世界で子供達は守られている 〜イシグロ『私を離さないで』"Never Let Me Go"

私の名前はキャシー・H。いま31歳で、介護人をもう11年以上やっています。

象徴的なこのセンテンスで始まる小説『私を離さないで』。
現代イギリスを代表する作家カズオ・イシグロの代表作と呼ばれています。恥ずかしながら彼の小説を初めて読みました(ほんとに恥ずかしいね、、、)。ああ、イシグロってこんな緻密な文章と幻想的な世界を書く人なんだなぁ、と思ったら、後ろの柴田先生の解説によれば、作品によって全く書き方を大幅に変えてかつ成功している希有な作家なようです。一作でわかった気になってはいけないのね。

この単行本が出たときに各書評は、ネタバレを避けるために非常に難しい書き方をせざるを得なかったという話があります。この小説はミステリではありませんが、ありかたとしては、主人公の長い告白を通して、少しずつ、少しずつ、糸が解きほぐされて全貌が明らかになっていく物語です。自他共にネタバレに寛容な私ですが、今回はできる限り自粛しようと思います。

さきほど幻想的な世界と書きましたが、設定が今私たちが生きる世界とはずいぶん違うという意味で幻想と呼んでいるだけです。作者の筆は実に繊細にリアルに、物語世界の詳細を描ききっています。ただどことなく靄がかった、ぼんやりとした、掴めるようで掴めないような印象を残すのは、主人公にとって、ヘールシャムという学校がもはや思い出の中にしか存在しないからなのかもしれません。主人公を通しての回想、そこには今進行形で起こっている出来事のような鮮明な描写は望むべくもないのでしょう。

2010年9月2日木曜日

Zapposというユニークな会社は仕事のあり方を変えるか。『Delivering Happiness』を読んで

とっても面白い本です。
タイトルは「Delivering Happiness」、Zapposというオンラインの靴販売業者のCEO, トニー・シェイ(Tony Hsieh)の書いた自伝&会社史の本です。…と書くと面白くも何ともなさそうなのですが、ニヤニヤしながら読める事間違い無し。な楽しい出来ばえの本です。

Zapposは日本には進出していない事もあってまだそれ程知られていないと思いますが、09年にAmazon.comの傘下に入ったことをご存知の方もいると思います。企業規模が違うこの買収に当たり、大手であるアマゾン側が非常に気を遣って、Zapposの従業員と顧客に向けてビデオメッセージを流しました(youtubeはこちら)。こんな事からも、アマゾンが非常にZapposを大事にしている事がわかります。

この靴通販、ZapposのCEOであるトニー・シェイ(Tony Hsieh)は、ビジネスの世界では買収前からユニークな企業文化と販売手口で注目されていました。ビジネスサイトでのインタビューなども多かったようです。日本でも時々、インタビューが公開されています(ここ とか)。この本もおそらく近いうちに日本語での翻訳が出される事でしょう。そうしたらもっともっと日本のメディアにも出てくるであろう、そんな個性的な経営者です。

すっかり前置きが長くなりましたが、この本の内容を少し紹介しましょう。




まず、トニー少年の子ども時代の話から始まります。

両親は台湾系で、大変教育熱心です。成績はオールAが当然, テレビは週に1時間しか見る事を許されず、音楽はピアノとバイオリンとトランペットとフレンチホルンを同時に習わされます。そんな中で彼が興味をもったのは「お金をもうける」事でした。100匹のミミズを買ってきた彼は、それを増やして「ミミズ牧場」を作り、一儲けする事を企みます。トニー少年は果たして上手くお小遣いを増やす事が出来たでしょうか?

また後には、雑誌の通信販売をしたり、自分で新聞を作って売ろうとしたりします。とにかく、一儲けするために工夫を惜しまない子どもだったのです。

大学を卒業した後、友人と起業して、LinkExchangeという会社を作ります。インターネットの創世期と重なって、この広告を売る会社は、あっという間に軌道に乗り、どんどん大きくなっていきます。買収の話も何度も舞い込みます。

…しかしある時彼は、利益を生み続けるこの会社に、興味を持てなくなっている事に気づきます。会社に沢山いる従業員の中に、顔も名前も知らない人が沢山いる事に気づきます。…一体、何が間違っていたんだろう?

2010年6月9日水曜日

何とか最後まで読破したぜ!『カラマーゾフの兄弟(The Brothers Karamazov)』

最近のアマゾンさんのページというのは実に便利な事に、「あなたはこの本をいついつ買いましたよ」というのを教えてくれて、子供が読んでるコミックの続き巻を買う時なんかに大重宝なのですけど、それで今見たら、この本を買ったのは2007年9月ですと。「カラマーゾフの兄弟」新訳ブームのまっただ中でした。

はい、買った時は一巻の、ゾシマ長老とフョードルの顔合わせの場面で挫折。「このおじさん(フョードル)は、こんないい人な教会の長老様になぜこんな口をきくんだい!!!」と、いやになって辞めてしまった、ううう。
しかし…そのまま2年近く放置していたこの本が本棚に5冊仲良く並んでいるのを目にし、「いや、もいちどトライしてみるべ」と最後まで読破を目標に再び本を開き、今回は3週間ほどで読み終えました。

あーーー、この達成感(爆)!!! 母ちゃんやったよ!みたいな。

考えてみたら露文学の小説をまともに読んだのはこれが初めてだったり(ああでもイワンのばかとツルゲーネフくらいは読んだ事あったっけ)。確かに露文のイメージ「名前が長い、変化する、覚えきれない」がほとんどなくて、また「どよーんと重暗い」というイメージもなく、すらすら気持ちよく読み終えられたのは、有名になったこの亀山先生の新訳さまさまです。

2010年5月8日土曜日

6本指の大作家を探す静かな冒険、パハーレス『螺旋』"El Paso de la Hélice"

twitterというのは不思議な場所で、そこでの出会い(フォロー、フォロられ)は偶然的要素が多いでしょうのに、流れてくる各種情報が自分の守備範囲にぴったりハマる事が往々にしてあります。この600ページを超える分厚い本のことも、流れてきたつぶやきで知った次第。




螺旋螺旋
木村榮一
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【あらすじ】
マドリッドにある出版社の中堅編集者ダビッドは、ある日社長から密命を受ける。社長によれば、その出版社の大ベストセラー『螺旋』の作者トマス・マウドは実は匿名の作家で、一方的に原稿を送ってくるだけで、どこの誰とも分からないのだという。続編を書いてもらう為にどうしてもその作家を探し出さねばならないという社長の命により、ダヴィッドは数少ない手がかりを手に、山中の小さな村へ旅立つ…

【解説・感想】
始まりと中盤と最後、随分と印象が違ってくる本でした。
最初の、じりじりと暑いカリブの島ではそれなりの手腕を見せる優秀な編集者としてのダヴィッド、そして作家を見つけられないばかりか何もかも上手くいかないダメ男になったダヴィッド、そして最後は…もちろん語りませんけど(笑)、これは謎の作家探しの小説であると同時に中年男の成長物語でもあるんですね。

2010年5月1日土曜日

クーリエ・ジャポンの3月号の特集「貧困大国の真実」

日本からだから届くのに時間がかかる上にブログ放置していたのでいつの話やら…
雑誌「クーリエ・ジャポン」の3月号、「貧困大国の真実 ーオバマ大統領就任から1年ー」これ面白かったです!責任編集は岩波新書の「ルポ 貧困大国アメリカ 」の堤未果さんです。
編集方向としては新書の「貧困大国アメリカ」と同じ路線ですが、オバマ大統領就任以降の変化を伝えています。

特に私が気になるのは、医療改革。
法案は一応通ったものの、結局骨無しの民間皆保険になってしまいました。
先進国中最低と言われるこのアメリカ医療の諸悪の根源は、医療保険が民間である事です。ま、他にも私立病院が株主を喜ばせるために儲け主義に走っていたりとか色々ありますが、やはり一番の問題は医療保険会社が民間経営であるために自社の利益を目的にしている事、それゆえ本当に医療を必要としている人が保険に入れない、あるいは保険が支払われないという異常な事態が起こっていることでしょう。

オバマの医療改革法案の推移について、このような記述があります。